06年3月10日富山県議会本会議一般質問
(島田一 議員)

鎌仲厚生部長 

5点目は、むち打ちは、最近脳脊髄液減少症と診断され、ブラッドパッチという治療が有効であるものの、保険適用がなく経済的負担が大きいと、どのように認識をしておるかという御質問でございます。
 脳脊髄液減少症は、事故などによる頭部や全身への強い衝撃によりまして、脳脊髄液が慢性的に漏れ続け、頭痛、首や背中の痛み、腰痛、目まいなど、さまざまな症状が複合的にあらわれる疾患であるとされております。
 最近、この疾患に対する治療法として、患者本人の血液を注入し、髄液が漏れた場所を血液凝固でふさぐという、いわゆるブラッドパッチ療法が注目を集めているところでございます。このブラッドパッチ療法については、現在のところまだ研究段階であり、その有効性や安全性等について十分に解明されておらず、医学界の評価も定まっていないと聞いております。
 また、厚生労働省はこれまで、低髄液圧に由来するむち打ち症の治療法であるブラッドパッチ療法の有効性等に関する検討の実施については、今後の学術的な研究の成果を踏まえて考えていくとしておりまして、こうしたことから、現在のところ保険適用がなされていないものと考えております。
 しかしながら、一昨日の参議院予算委員会におきまして、厚生労働大臣から、既に関係学会が診療実態の調査や診断基準の策定に向けた検討を始めており、関係学会が連携して厚生労働科学研究費補助金事業に応募すれば適切に対応する旨の方針が初めて示されたところでございまして、国や関係学会等における今後の研究の進捗を注意深く見守りたいというふうに考えております。
 今後、この脳脊髄液減少症やブラッドパッチ療法などについてのさらなる研究が推進され、いわゆるむち打ち症の治療法が早期に確立されることを期待しておるところでございます。
 以上でございます。


2006/6/26
富山県議会において全会一致で脳脊髄液減少症の治療推進と保険適用を要望する意見書が採択されました

脳脊髄液減少症の研究・治療等の推進を求める意見書
 
 
 脳脊髄液減少症とは、交通事故、スポーツ障害などにより頭部や全身への強い衝撃によって脳脊髄液が慢性的に漏れ続け、頭痛や首や背中の痛み、腰痛、めまい、吐き気等さまざざまな症状が複合的に発現するものであり、難治性のいわゆる「むち打ち症」の原因として注目されている。
しかしこれらの症状は、これまで原因が特定されない場合が多く、「怠け病」あるいは「精神的なもの」と診断されたため、患者の肉体的・精神的苦痛はもとより、患者の家族等の苦労も
はかり知れなかった。近年、脳脊髄液減少症に対する(ブラッドパッチ療法など)の有用性が報告されており、医学界においても脳脊髄液減少症に関して本格的な検討を行う機運が生まれつつあるなど、長年苦しんできた患者・家族にとっては大きな光明となっている。
しかしながら、脳脊髄液減少症の一般の認知度はまだまだ低く患者数など実態も明らかになっていない。また全国的にもこの診断・治療を行う医療機関が少ないため、患者
家族等は大変な苦労を強いられている。よって国会並びに政府におかれては、次の事項を実現するよう強く要望する。


1 交通事故等の外傷による脳脊髄液漏れ患者(脳脊髄液減少症患者)の実態調査を実施すること
2. 脳脊髄液減少症についてさらに研究を推進するとともに、診断法ならびにブラッドパッチ療法を含む治療法を早期に確立すること
3 脳脊髄液減少症の治療法の確立後、ブラッドパッチ療法等の新しい治療法に対して保険が適用されるよう検討すること。
 
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

富山県議会議長 米原蕃
上田信雅
杉本正
江西甚昇
坂田光文
湊谷 道夫
横山 真人
山辺 美嗣
柴田 巧
上田 英俊
島田 一
山上 正隆
火爪 弘子

提出先
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
文部科学大臣
厚生労働大臣