脳脊髄液減少症の研究・治療等の推進を求める意見書
 
(平成18年7月7日)
 
 脳脊髄液減少症は、交通事故、スポーツ障害、落下事故、暴力などによる頭部や全身への強い衝撃によって脳脊髄液が慢性的に漏れ続け、頭痛、首や背中の痛み、腰痛、目まい、吐き気、視力低下、耳鳴り、思考力低下、うつ症状、睡眠障害、極端な全身倦怠感・疲労感等のさまざまな症状が複合的に発現する病気であり、難治性のいわゆる「むち打ち症」の原因として注目されている。
 しかし、この病気は、これまで原因が特定されていない場合が多く、「怠け病」あるいは「精神的なもの」と判断されてきたため、患者の肉体的・精神的苦痛はもとより、患者の家族等の苦労もはかり知れなかった。
 近年、この病気に対する認識が徐々に広がり、この病気の研究に取り組んでいる医師等より、新しい診断法・治療法(ブラッドパッチ療法等)の有用性が報告されている。
 そのような中、医学会においても脳脊髄液減少症に関して本格的な検討を行う機運が生まれつつあり、長年苦しんできた患者にとって、このことは大きな光明となっている。 しかしながら、この病気の一般的な認知度はまだまだ低く、患者数などの実態も明らかになっていない。また、全国的にもこの病気の診断・治療を行う医療機関が少ないため、患者・家族等は大変な苦労を強いられている。
 よって、国におかれては、以上のような状況を踏まえ、下記の措置を講じられるよう強く要望する。

1  交通事故等の外傷による脳脊髄液減少症患者の実態調査を実施するとともに、患者・家族に対する相談・支援体制を確立すること。
2  脳脊髄液減少症について、さらに研究を推進するとともに、診断法並びにブラッドパッチ療法を含む治療法を早期に確立すること。
3  脳脊髄液減少症の確立後は、新しい治療法について早期に保険を適用すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 
 (提出先) 
  衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、文部科学大臣、厚生労働大臣