2005/12/19高知県議会にて

低髄液圧症候群(髄液が漏れる病気)の治療推進を求める意見書
 
 低髄液圧症候群とは、交通事故、スポーツ障害、落下事故、暴力、及びその他頭部や全身への強い衝撃によって、脳脊髄液が慢性的に漏れ続けるという病気であり、
この病気の症状は、頭痛、首や背中の痛み、腰痛、目まい、吐き気、視力低下、耳鳴り、思考力低下、うつ症状、睡眠障害、極端な全身倦怠感などさまざまな症状が複合的にあらわれる。低髄液圧症候群によって苦しんでいる患者が全国から数多く報告されている。これまでの医療現場においては、低髄液圧症候群の原因が特定できなかったことから
「怠け病」あるいは「精神的なもの」とされて周囲の理解が得られず、患者の肉体的。精神的苦痛はもとより、家族にとっても大きな苦しみであった。最近、この疾病に対する治療法として「ブラッドパッチ療法」が開発され、その治療効果が報告されている。
 
しかしながら、頭頚部を中心とした外傷といわれる「むちうち損傷」は、その因果関係を証明する報告は数多くあるものの。「むち打ち損傷」を原因とする脳脊髄液減少症の治療法であるブラッドパッチ療法は、保険適用がなされておらず、また、治療の普及が遅れており、全国的にもこの治療法を行う病院は少ないという実態である。
よって国におかれては、以上の現状を踏まえ、次の事項について適切な措置を講じられるよう強く要望する。
 

1 交通事故の後遺症で苦しむ患者及び外傷による髄液漏れの患者の実態調査を実施すること。
2 低髄液圧症候群についてのさらなる研究の推進とブラッドパッチ療法を含めた、いわゆる「むち打ち損傷」の治療法を早期に確立すること。
3ブラッドパッチ療法等に対して保険を適用すること。
 
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 
 平成 17年 12月 19日
高知県議会
議長 結城 健輔


内閣総理大臣
厚生労働大臣 様