日常生活の上で水分補給について我々も専門的な知識が必要と考え、この分野に詳しい(株)大塚製薬工場様にお願いをした結果「水分補給」についての資料等をいただき、更に徳島県鳴門市の(株)大塚製薬工場 本社・研究所を訪ね、経口補水液(けいこうほすいえき)(ORS)での正しい水分補給の仕方について研修を受けさせていただきました。
つきましては、その研修報告をさせていただきます。
皆様のお役に立てば幸いです。

(株)大塚製薬工場 2008年4月

第一研究開発棟 会議室

Q1 人間の毎日の水の出納はどうなっているの? Q2 腸管の中への水分の出納? Q3 水分の取り方@「気をつけなければいけない点はありますか?」 Q4 水分の取り方・A
Q5 ORS(経口補水液)とは? Q6 経口補水液を飲み調子が良いと感じた場合 いつも経口補水液を服用していかなければならないのですか? Q7 自宅でORS(糖分と塩分のバランス良く含む)は簡単に作れるのでしょうか? Q8 現在、国(厚生労働省)が認める経口補水液(食品)というのは販売されているのでしょうか?

Q1 人間の毎日の水の出納はどうなっているの?

A1 栄養学の教科書では成人で1日あたり2400mlの水分が出入りしています。 内訳ですが飲料水 1100ml 食物 1000ml(食べるものの中にも水分が含まれています) 後は代謝水(栄養素が体の中でエネルギーになる際に生成される水) 300mlとなります。
一方 出るほうですが不感蒸泄(身体から無意識のうちに蒸発する水分)として800ml(呼気から300ml、皮膚から500ml)が失われ、尿として1500ml (不可避尿500ml:避ける事ができない尿 可避尿1000ml:避けることができる尿)が失われます。そして便中に100mlが排泄され、 合計2400mlの 排泄となります。
例えば 一日の飲水量が 1000mlに留まってしまったという場合、可避尿を減らしてそのバランスを取ることができます。 

Q2 腸管の中への水分の出納?

A2 上記は見かけの水分出納でしたが 身体の中では大量の水分が無意識の内に腸を通して出入りしています。まず、腸へ流入する水分は2000ml (食べて1000ml 飲んで1000ml)、唾液1500ml、胃液 2500ml、胆汁500ml、膵液1500ml、小腸からの分泌が1000mlで合計腸の中へは9000mlもの水分が分泌されています。 それに対し小腸で7000ml、結腸で1900mlが吸収され、残りの100mlが便として排出されます。このように見える水分としては1日あたり2400mlでバランス取れているように見えますが、腸の中では9000mlの出入りがあります。下痢をした場合、ここの腸の中での水分バランスが崩れ、出ていく水分が増えます。

Q3 水分の取り方@ 「気をつけなければいけない点はありますか?」

A3 脱水とは、体から水がなくなるようなイメージがありますが、身体から体液が減少することです。ですから失われるのは水だけではなく、塩分と水分が両方減少するということです。
成人の水分摂取量は体重60kgの方で 栄養学の教科書により異なりますが2400mlといわれています。
(但し 夏場に発汗が多い場合、 必要水分量は増えます)
身体にある体液中には水分のみならず電解質(イオン)が含まれています。マグネシウム、カリウム、ナトリウム、カルシウムなど多くの種類がありますが特に細胞外液にはナトリウムと塩素が多く含まれています。
ナトリウムと塩素が多く含まれている血液は体内を循環しています。 脱水になった場合は水分とともに電解質も排出されてしまいます。 身体はこの体液の 濃度 量を調整する機能がそれぞれ独立して働いています。
例えば 汗を多量にかき 水のみを多量に飲んだとします すると 身体の中の水分量が増えても 体液が薄くなり 黄色信号を身体は出します。
量と濃度どちらを身体は優先するかといいますと 身体は濃度を重要視するようになっています。
体液の濃度(水分中の電解質・イオン濃度)などを一定に保とうとするように体は第一優先で働くのです。 ですから脱水の時に水を多量に飲んだ場合、 体液が薄まってしまい、身体は水を飲むのが辛くなります、体液の濃度が薄くなるからです。 身体(脳)が飲むなという指令をだします。しかし水分とイオンは足りないのでまだ脱水状態は続きます。
ですから脱水の時に水などを多量に飲むということより 体液に近いORSを飲む方が身体に優しいことになります。
経口補水液は身体から 体液つまり水分と塩分が減少したときに飲む飲料といえます。

参考)
一般の成人では体重の3%以上の脱水になると 自覚症状がでてきます。しかしスポーツ選手の場合は、体重の2%の脱水になると運動能力がおちると言われています。

体重の3%を超える脱水になりますと 頭痛がする 全身倦怠感 落ち着きがないなどの症状が出る場合があり、 体を循環している血液量が少なくなるので心拍数は上がりますが脈は減少します
皮膚の水分量が少なくなり 日常生活が困難になるといわれています。
体重の9%を超える脱水状態では生命の危険があります。


Q4 水分の取り方A

A4 経口補水液(ORS)のポイントは体から失った水分と塩分が含まれていることと、それらの吸収を早める炭水化物(ブトウ糖)が含まれていること です。ブドウ糖と電解質のバランスが良い場合に水分の吸収が早い事が分かっています。
電解質の量 またブドウ糖の量がどちらかの量が多すぎたり少なすぎたりすると水分の吸収が逆に悪くなることもわかっています。海外では2003年のCDCガイドライン(米国厚生省疾病管理予防センター)などで その組成が決められています。
例) ブドウ糖液、生理食塩水、そしてORSについて腸内での吸収速度を比べた場合 ブドウ糖と電解質がバランス良く混合されているORSが最も早く腸内に吸収され実験結果があります。 

参考)激しい脱水や下痢などはなはだしく塩分が体内から排出され続け 放っておけば最終的には輸液が必要になるという状況下で、そうならないように早めにORSで防ぐというのが 基本的な経口補水療法の考え方です。


Q5 ORS(経口補水液)とは?

A5 水分と電解質(主にナトリウム)をすばやく補給できる飲料のことです。
ORS(Oral Rehydration Solution)は経口補水療法(Oral Rehydration Therapy)に用いられる飲料で、水分と電解質をすばやく補給できるようにナトリウムとブトウ糖の濃度を調整した飲料です。
簡単に言えば脱水状態からの回復に役立つ飲料と言ってよいかと思います。経口補水液には、医薬品と食品の2種類があります。


Q6 経口補水液を飲み調子が良いと感じた場合 いつも経口補水液を飲用していかなければならないのですか?

A6 通常何も身体に問題なければ 飲む必要はありません。
普通にバランスよい食事をとり 普通に水分をとっていれば良いわけです。


Q7 自宅でORS(糖分と塩分のバランスよく含む)は簡単に作れるのでしょうか?

A7 できます。 水1リットル に上白糖40g(大さじ4と1/2杯)、塩3g(小さじ1/2杯)を溶かし、グレープフルーツなどの果汁を加えることによりORSを作ることができます。しかし、作り方のばらつきにより、常に適切な濃度のものが作れるとは限らないことをご承知おきください。


例)下記に 1例 「美味しいORSの方法をご紹介いたします」




Q8 現在、国(厚生労働省)が認める経口補水液(食品)というのは販売されているのでしょうか?

A8 現在、一般食品と特別用途食品(病者用食品)が市販されています。
私ども椛蜥ヒ製薬工場からは経口補水液「OS-1(オーエスワン)」という商品を発売しています。
「オーエスワン」軽度から中等度の脱水状態の方の水電解質を補給・維持するに適しているとして、厚生労働省が認可している唯一の食品です。

詳しくは、こちらへアクセス↓



 現在皆様が使用されている水分補給のアンケート実態調査を実施させていただきたく思います。(携帯からもアンケートに答えられますので是非ご協力のほどよろしくお願いします)
  • アンケート 例)点滴はどういう成分を使用しているのか?現在飲まれている飲料水(例 水・ウーロン茶・スポーツ飲料)効果など 今後調査結果をまとめて何らかの形で発表しようと考えております。是非ご協力をお願いします。

更に脳脊髄液減少症と水分補給について 篠永教授にお話を伺いました
こちらをクリック